大嫌いだから、ね? ③
 
 階下のリビングから、壁時計のメロディがかすかに聞こえてきた。

 つられるように顔をあげて、部屋の時計を見ると・・・ちょうど、正午だった。



 どくん・・・胸が高鳴った。



 もしかして・・・ううん、たぶん・・・今日も、光くんからメールがくるかもしれない。

 どきどきしてしまう・・・。

 のこりのメールを読むのをやめて、じぃっと、携帯をみつめる。

 私が、なにも操作をしなくなった携帯は、ふぃに画面の光を消した。

 

 なんだか・・・こうやって・・・待ち構えているのって・・・私って・・・変な子かもしれない。

 それに・・・メール来ないかもしれないし。



 それでも、携帯を放せなくて、身じろぎもせず、じぃっと待機状態の私はいきなり声をかけられて、おもいっきりびくっと肩を震わせてしまった。




「陽菜、起きれるようになったのね? よかったわ」



 お母さんが、ドアを半分ほど開けて、顔を出していた。


 
「あら、どうしたの? そんな驚いた顔して」

「ううん。いきなり声をかけられたから・・・びっくりして」

「そう。ごめんね、寝ていると思ったのよ」

「うん。大丈夫」


 
 そうは答えたけど・・・びっくりして、心臓ドキドキしている。

 
 
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