大嫌いだから、ね? ③
でも、さらに心臓に悪いことが、続いた。
唐突に、携帯が点滅して、メールの着信音が鳴り響いた。
「きゃ!」
思いっきり驚いて、携帯を羽毛布団の上にぱふんっと音をたてて、落としてしまった。
だって、いきなりなるんだもん。
お母さんに驚かされた直後だったから、さっきまでしていた心の準備が解除されていて・・・油断してしまった。
「もう、どうしたの、陽菜?」
呆れたように、お母さんが肩をすくめた。
ゆっくりと部屋の中に入ってきて、ベッドの足もとの方に飛んで行ってしまった携帯を拾ってくれた。
「はい。あなたが寝込んでいる間、いっぱいなってたわよ。
皆、心配してくれているのね。お礼のメールしなくちゃね。
でも、あまり、無理しないようにね」
「うん」
「そうそう。具合はどうかしら? なにか食べれる?それとも、何か飲む?
ずっと寝ていて、ほとんど食べてないでしょう? 食べて、体力を回復しないといけないわ」
いいながら、私の額の髪をよけて、手のひらが私の額に触れる。
少し照れくさいような、心地いいようなしぐさに、私は目を細めた。