大嫌いだから、ね? ③
「・・・送信っと」
携帯を閉じて、一息ついた途端、着信音が鳴り響いて、またまた私はびくっと肩を震わせた。
今日は、驚かされてばかり。心臓によくないってば。
「? こんな時間に誰かな?」
私は相手を確かめることをしないまま、催促する様になり続けている着信音にせかされて、携帯にでた。
「えっと、もしもし、福田です、けど?」
「もしもし、陽菜?」
「! ? え、え?」
「陽菜だよな? 聞こえてる? 海老原だけど」
携帯から聞こえてきたのは、会いたい、声を聞きたいって思っていた光くんの声だった。
すこし低めの声音が、耳に心地いい。