大嫌いだから、ね? ③
「陽菜?」



 訝しむような光くんの声。笑い声が消えた。



「どうした? ・・・もしもし」

「・・・からかってる? 光くんって、やっぱり、意地悪。

 すっごく、すっごく意地悪」




 ・・・いつもなら思っていてもなかなか口にでてこないことが、熱のせいかな?

 すらすらと、でてきた。




「電話してくれて、うれしいって思ったけど・・・でも、こんな意地悪なら、切る。

 切るから!」



 意地悪な光くんとなんて、話したくない!

 携帯のキーに指がかかる。



「ちょ、ちょっと、待て! 待って、陽菜!」



 携帯の向こうからは、大慌ての光くんの声が、大きく響いてきた。



 



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