大嫌いだから、ね? ③
「心配なのはわかるけど、無茶しすぎ。
さて、海老原、保健室に行こうか?
歩ける?」
気遣うように、長岡くんが聞いた。
光くんは、うなずいた。声をだすのも、きつそうに返事を返す。
「まぁ・・・なんとかね。ふらふらするけど」
「肩貸すよ。それとも、おんぶか、お姫様だっこがいい?」
「肩で、よろしく」
「了解」
言いながら、長岡くんが光くんの腕を取って、肩を貸した。
つぎに私のほうをみて、いった。
「ごめん、陽菜さん。そのままじゃいけないから、海老原の自転車を、自転車置き場においてきてくれる?」
「はい」
私は、アスファルトの上に倒れたままの、光くんの自転車を起こした。