大嫌いだから、ね? ③
 
「もう陽菜に意地悪しない。

 おれ、はっきりいって、まぁ・・・どちらかというとSだと思うんだけど・・・だけど、もう泣かせたくない。

 おれ、好きな子泣かせて、喜ぶような変態じゃないから」

「・・・!」



 絶句してしまった。

 今、今、今ね、光くん、なんていったの?

 病み上がりの、空耳、聞き間違い、妄想じゃないよ、ね?

 光くんはなおもつづけた。



「陽菜の泣き顔も可愛いって思うけど、やっぱり、笑顔のがいい。

 おれの意地悪でなく顔よりも、おれといることで笑顔になってほしい。

 ・・・って、なにいってんだろ、おれ。恥ずかしいやつだよな。

 おれも、まだ、熱あるのかな?

 それとも、携帯ではなしてるからかな?

 らしくないよな、陽菜?

 ん? もしもし、陽菜、聞いてる?」

「・・・」



 聞いてるけど、なんて答えていいのかわからない。

 ・・・なんて答えればいいんだろう。

 頬も熱いし、耳までも熱い。でもこれは、熱がまたでたわけじゃない。






 
 
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