大嫌いだから、ね? ③
今年度の一年から共学になったうちの学校は、一組から四組までが中等部からの持ち上がりで女子ばかりのクラスで、五組から七組が外部入学の男女混合クラスだ。二年生に進級するときはすべて混合にする予定らしい。
渡り廊下を歩いていくと、だんだんと男子の数が多くなっていく。
七組は一番つきあたりの、教室だ。
女子の姿はあまりなく、男子とすれ違うたび振り返って、みられるのはなぜだろう?
でも、気にしている場合じゃない。
今、心に気にかかっているのは、光くんのことだけ。
私は教室の入り口に立って、中を覗いた。
まだ、もしかしたら保健室にいるのかもしれないけれど、光くんの姿は教室にはなかった。
私は教室の中を見回す。
皆、お弁当を食べたり、雑誌を読んだり、おしゃべりしたりしている。
見知った顔がないかと探す。
長岡くんとか、朝の、斉木くんとか。
二人は見当たらなくて、でも、ひとり、ばっちりと目が合った。
バナナオレのパックジュースを飲んでいたその人は、ストローを加えたまま、
「あ!」
と、叫んで、それから私のところに、にこにこしながら、やってきた。
「うわぁ、福田さんだ。おれのこと、憶えてます?
海老原の、大親友、佐藤要くんです」