大嫌いだから、ね? ③
「え、あ、その」
直球できかれて、しどろもどろになる。
頬が熱くなってく。きっと、顔が赤いはず。
佐藤くんは腕を組んだ。
「ほんと、かわいい。
でも、さっきの福田さんは、切なそうで、さみしそうで・・・思わず、手を伸ばして
ぎゅって抱きしめたくなった」
「え!」
佐藤くんが両手を広げたりしたから、思わず、後ずさってしまった。
廊下の冷たい壁に背中があたった。
佐藤くんが吹き出した。
顔の前で、手を振る。
「しない、しないって。そんなことしたら、海老原に八つ裂きにされて、埋められる。
恋愛では、勝ち目ない勝負には出ない主義だから」