大嫌いだから、ね? ③
・・・なにを納得しているんだろう?
佐藤くんの思考回路はあんまりよく、わからない。
「じゃ、海老原に連絡してやってね。
くれぐれもよろしく。めちゃくちゃ喜んで、風邪なんか即治ると思うから」
教室に帰って、手のひらを見る。
汗でにじんでいるけど、ちゃんと読める。
私は、佐藤くんの分も含めて、登録した。
・・・お父さん以外、男の人のアドレスを登録するのは初めてで、ちょっと・・・ドキドキした。
これで会えないときも、光くんと連絡を取ることが出来る。
そう思うと、嬉しかった。
光くんのことを怖がって避けていた自分を思い出すと、今の自分が正直、信じられない。
光くんが昔のいじわるな彼じゃなくなったように、私も変化しつつあるんだ。
私はぎゅっと携帯を握り締めた。