大嫌いだから、ね? ③
 
 私は思わず顔が緩んでしまうのが、わかった。

 笑顔になってしまう。



「陽菜? 聞いてる?」



 いぶかしげに光くんがきいた。



「う、うん。ごめんなさい。そうだ・・・具合は大丈夫?

 朝・・・すごく身体熱かったし・・・、雨にぬれたからまた、熱が上がってない?

 治ってないのに・・・無理して学校にきたら、駄目だよ」

「学校に行きたかったから、というより・・・陽菜に会いたかったからいったんだ。

 気になって気になって、仕方なかったから。

 熱があっても、きつくても・・・寝てても、考えるのは陽菜のことばかりだった。

 会いたかったんだ」

「ひ、光くん!?」



 私は絶句した。

 ど・・・どうしちゃったんだろう、光くん。

 いつも言葉よりも行動の光くんなのに。言葉なんて全然くれなくて、行動で示していく光くんなのに・・・。



 なんだか・・・立て続けに、赤面するしかない台詞を聞かされたような気がする。

 身体が熱い。・・・熱でもあるみたいに。

 ね、つ? ・・・そうだ。



「ねぇ、光くん? 今、熱あるの?」

「あ、ああ、たいしたことないよ。

 けど・・・体温計みてちょっと感動した。39度っていうのはなかなかお目にかかれない数字だよな」

「さ、39度!?」



 私は思わず、大声をあげてしまい、あわてて、口を押さえた。



  
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