大嫌いだから、ね? ③
 どうやら早退して帰ってから、ずっとソファで寝ていたようだ。

 そばに携帯もころがっていた。

 こんなところでお布団もかぶらずに寝てたら、ますます風邪ひどくなっちゃう。



「起きて。光くん。自分の部屋で寝ないとだめだよ。ねぇ」



 私は光くんのそばにすわって、肩をゆすった。

 熱い。

 私は手をのばして、額にふれた。

 光くんが気持ちよさそうに目を細めた。



「陽菜の手、冷たくてきもちいい」



 私の手に光くんは自分の手を重ねた。

 どきんっとした。

 光くんの手は私の手より大きかった。しかも、やわらかくなくて、がっちりしていて、私の手とは全く違った。

 どぎまぎする気持ちをごまかすように、私は手をひっこめて、光くんにいった。



「わ、私の手が冷たいんじゃなくって、光くんが熱いんだよ」

「けち・・・。なんですぐ手をひっこめるんだよ。陽菜が触ってくれたら、苦しいのも消えてたのに。もう一回、触って」



 う・・・。熱のある光くんは・・・なんていうか、言動がストレートで・・・困ってしまう。

 


 
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