大嫌いだから、ね? ③
「おなかすいた、陽菜」


 重ねていった光くんの言葉にはっと、我に返る。



「それで、なにかつくって、陽菜?」



 それっていうのは、私が出がけにお母さんから渡された買い物袋だ。

 ずっしりと重いけど、なにが入っているんだろう。

  

「うん、そのつもりで持ってきたんだけど、いきなりいろいろ食べれる?

 おかゆとかのほうがいいんじゃない?」

「陽菜がつくってくれたおかゆならたべたいけど、レトルトはもういやだ。・・・おれは、陽菜の作ってくれるものが食べたい」

「わかった。作るね。ご飯はある?」

「生米なら」



 ・・・生米って・・・。



「お米はあるんだね。炊いたりするから、時間かかるけど待てる?」

「待つよ」


 光くんはソファに寝たまま、顔をあげて、にっこり笑った。



 ・・・熱がある光くんって、やっぱり可愛いかも。



 
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