大嫌いだから、ね? ③
私は眠った形跡のある少し大きめのベッドから上掛けをとった。
そのまま、抱えてリビングに戻る。
光くんは、ウトウトしかかっていたようで、そっと、上掛けをかけるとかすかに目を開いた。
「サンキュ、陽菜」
「寝てていいよ。できたら、起こすから」
「ん。・・・いまさらだけど、こんな時間にいいわけ? おれはうれしいけど」
「大丈夫。ちゃんとお母さんにはいってきているから。遅くとも八時半くらいまでに帰ればいいと思う」
九時より前に、お父さんが帰ることはほとんどないから。
今は六時三十分過ぎ。
「心配しないで、光くんは御飯ができるの待っててね」
「うん」
言って、光くんは目を閉じた。
かなり、きついんだと思う。
ご飯作っても、食べれるかな? でも、食べないと薬飲めないし・・・。
考えていても、時間がすぎるだけなので、私はキッチンにむかった。