大嫌いだから、ね? ③
「大丈夫か、陽菜!」
上掛けを払いのけて、光くんが私のところに駆け寄ってきた。
けがをした指先をぎゅっと反対の手で握り締めたまま、光くんに言う。
「お魚、こげちゃう。・・・光くん、止めて」
「了解」
すばやく光くんがコンロを止めた。
それから、私の手をそっと両手でつつんだ。
「痛む? すぐ手当するから」
「ん。ちょっと痛いかも」
「そこすわって」
私は光くんが引いてくれたダイニングの椅子に座った。
ぎゅっと押さえた指の間から、血がにじんでる。
光くんはそれをみて、眉根を寄せた。
「深く切った?・・・薬とってくる」
「ごめんね。・・・光くん、きついのに、ごめんね」
申し訳なくて、そういった。
「なにいってるんだよ」
言いながら、光くんは私の頭をなでた。
「たとえ、きつくても、陽菜のためなら、おれ、動けるから心配なく。
傷の手当ては慣れてるから、すぐにすむよ。
そうしたら、また、おとなしく横になるから」
「うん」
光くんの優しさが、とてもうれしい。
熱のせいなのか、たくさんの言葉をくれる光くん。
一言だって、忘れないで覚えておくね。
上掛けを払いのけて、光くんが私のところに駆け寄ってきた。
けがをした指先をぎゅっと反対の手で握り締めたまま、光くんに言う。
「お魚、こげちゃう。・・・光くん、止めて」
「了解」
すばやく光くんがコンロを止めた。
それから、私の手をそっと両手でつつんだ。
「痛む? すぐ手当するから」
「ん。ちょっと痛いかも」
「そこすわって」
私は光くんが引いてくれたダイニングの椅子に座った。
ぎゅっと押さえた指の間から、血がにじんでる。
光くんはそれをみて、眉根を寄せた。
「深く切った?・・・薬とってくる」
「ごめんね。・・・光くん、きついのに、ごめんね」
申し訳なくて、そういった。
「なにいってるんだよ」
言いながら、光くんは私の頭をなでた。
「たとえ、きつくても、陽菜のためなら、おれ、動けるから心配なく。
傷の手当ては慣れてるから、すぐにすむよ。
そうしたら、また、おとなしく横になるから」
「うん」
光くんの優しさが、とてもうれしい。
熱のせいなのか、たくさんの言葉をくれる光くん。
一言だって、忘れないで覚えておくね。