大嫌いだから、ね? ③
 行動ばかりじゃなくて・・・言葉がほしい。

 光くんの行動で、私のことをどう思っているのかわかる気がする。

 でも、言葉で気持ちを聞いたわけではないから・・・私の、勝手なうぬぼれなのかもしれない・・・って思うこともある。

 

 だから、言葉がほしい。

 私は、少しづつだけれど、自分の中に芽生え始めた気持ちに気がつきはじめていたから・・・。



「どうかした、陽菜?」



 いぶかしげに光くんが聞いた。

 私は、考えを振り払うように、首を振った。



「う、ううん、なんでもない。

 ご飯できたよ。食べれそう?」

「もちろん」

「そう、よかった。トレイにのせて、ここまで運んできてもいいよ?」

「座って食べる。病人みたいに食べるのは好きじゃない。あ、でも、陽菜があ~んって食べさせてくれるならいいかも? してくれる?」



 返答を待つように、にこにこしながら、首をかしげて、私を見ている光くん。



 もちろん、あ~んなんて恥ずかしいことできるはずありません。



「・・・ダイニングテーブルへどうぞ、光くん」



 いって、私はたちあがった。

 光くんが、ち、つまんねぇってつぶやいたのは、聞かなかったことにする。

 

 
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