大嫌いだから、ね? ③
 
 泣いたら、駄目・・・小さな子供じゃないんだから。

 でも・・・こういう時、どうしたらいいの?



 足を止めて、その場に立ち竦んでしまう。



「どうしました、福田さん?」

「具合でも悪いっすか?」

「急いで、保健室行く?」



 私が急に足を止めたから、周りのみんなも止めた。

 心配そうに、声をかけてくれる。

 私は、下を向いたまま、首を振った。



「ご・・・めんさな、い。・・・気分が悪いんじゃ---きゃ!」



 二の腕をぐいっと引っ張られて、思わず、小さく声をあげてしまった。

 手から離れた傘が、アスファルトの上に落ちた。

 雨が頬に落ちてくる。冷たい。

 二の腕をつかまれたまま、振り向くと、そこには---



「・・・っ、おまえら! 陽菜がこわがってるだろ! むさい男が、かこってんじゃねぇよ!」



 光くんがいた。







 

 

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