大嫌いだから、ね? ③
「言葉より・・・行動か」



 ぽつりと呟く、光くん。

 そういう彼の目はもう、険しさをなくしていた。

 考えるように目を伏せる。



「たしかに・・・そうかも。

 今日は考えてみるといつもより・・・ずっとしゃべってるかも。

 いつもは・・・思ってても躊躇してしまうことも、結構いったような気がする。

 なんか・・・口がよく動くというか・・・。

 本音だから、べつにいったことを後悔したり、否定したりしないし・・・それに、何より、陽菜と過ごした時間、言葉・・・ひとつだって・・・忘れたりしないよ」



 そういう赤面間違いなしの台詞を真顔でいう光くんは、やっぱり絶対、高熱があると思う。

 一瞬で、私の顔・・・真っ赤になってるに違いない。



「かわいい、陽菜。リンゴ・・・ううん、陽菜はイチゴかな? そう、イチゴみたいに、赤いよ。・・・それも、とびっきり甘そう」



 いいながら、ぺろりと光くんは、私の頬をなめた。



「やっぱり、甘い」



 満面の笑顔で言う光くん。

 

「光くん、いきなり、な、なめないで!」

「だって、おれって、陽菜の中では、言葉よりも行動が先に立つんだろ?」



 悪びれず、でも、ちょっぴりいたずらっぽく、光くんはいった。


 

 
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