大嫌いだから、ね? ③
それから、自室のドアに寄りかかったまま、見送ってくれている光くんのところへ行った。
「光くん、もう、ねてね。それから、明日も熱があったら、学校にきたらだめだよ。
無理すればするほど、治らないからね。
ちゃんと、風邪を治してから来て。約束ね?」
「・・・けど・・・」
「絶対、約束。そのかわり、明日の夕方も、様子を見に来るから」
「ほんと?」
「うん」
私はうなずいた。明日は、お弁当つくってこようかな?
「じゃあ、おとなしくしている」
素直にうなずき返した光くんに、佐藤くんが大真面目に言った。
「じゃあ、明日も、おれもくるよ。安全のために」
「くるな!」
即座に光くんが返したが、佐藤くんは素知らぬ顔でつづけた。
「明日は、時間決めて一緒に行きましょうね、福田さん。
赤ずきんちゃんの安全は、おれが守りますから」
赤ずきんちゃん・・・安全って・・・?