大嫌いだから、ね? ③
 
 それから、自室のドアに寄りかかったまま、見送ってくれている光くんのところへ行った。



「光くん、もう、ねてね。それから、明日も熱があったら、学校にきたらだめだよ。

 無理すればするほど、治らないからね。

 ちゃんと、風邪を治してから来て。約束ね?」

「・・・けど・・・」

「絶対、約束。そのかわり、明日の夕方も、様子を見に来るから」

「ほんと?」

「うん」



 私はうなずいた。明日は、お弁当つくってこようかな?



「じゃあ、おとなしくしている」



 素直にうなずき返した光くんに、佐藤くんが大真面目に言った。



「じゃあ、明日も、おれもくるよ。安全のために」

「くるな!」



 即座に光くんが返したが、佐藤くんは素知らぬ顔でつづけた。



「明日は、時間決めて一緒に行きましょうね、福田さん。

 赤ずきんちゃんの安全は、おれが守りますから」



 赤ずきんちゃん・・・安全って・・・?

 

 
< 68 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop