大嫌いだから、ね? ③
「平気だよ、熱なんてないよ。
朝ごはん、いつもより食べすぎちゃったのかもしれない。そういえば、今日はトースト六枚切りじゃなくて、五枚だった。消化してないんだ、たぶん」
私のわけのわからない言葉に理佳が、目を瞬かせた。
驚き顔のまま、言う。
「・・・やっぱり、熱あるよ、陽菜。
発言が変」
「変ってなによ、だって・・・五枚切りって厚いし、しっかりブルーベリージャム塗ったし」
「私はパンは、バター派だな・・・じゃなくて」
私と理佳が妙な会話を交わしているところに、ふいに声がかかった。
「ねぇ、ちょっといい?」
「はい?」
「え?」
理佳と同時に声のした方を向くと、見たことのない女生徒が立っていた。
第一印象は、気が強そう、だった。