恋の魔法。
「…はよっす」
「!」
顔を上げると赤坂君が
少しだけ微笑んで
くれていた。
「うん…!
おはよう!」
「なに挨拶だけでそんな
感動してんだよ」
「だって…ありがとう」
「別に挨拶返しただけだし」
「お、オレもおはよう!
七瀬さん!」
「あ、はい、
おはようございます…」
「うわ、やっべ
七瀬さんに挨拶返して
もらえちゃった!」
「おい俊ー!
お前いつのまに
七瀬さんと仲良くなったー!?」
「抜け駆けすんなや!」
「ちょ…やめろって…」
赤坂君のおかげで
挨拶大作戦は成功した。
次、もっと重要なことが
まだ残ってる。
あたしは、今の様子を
不機嫌そうに見ていた
女の子たちの方に
歩いていった。