恋の魔法。
変人
「な、七瀬さん!
おはよう!」
「…だからあたしに
話しかけないでってば」
「え…あ…
す、すみません…」
"だからやめとけって
言っただろー?
あの人は無理だって"
"でも咲哉と
付き合ってんならさあ…"
そんな話し声が
後ろから聞こえる。
早くあたしに
話しかける人なんて
いなくなって欲しい。
人との関わりなんか
ない方がいい。
その時ふとクラスの
女子二人と目が合った。
その二人はふいっと
目をそらして
少し大きな声で話し出す。
「なんかさあ~
態度でかいよね~」
「ねっ!
何様のつもりかな」
「ん?
お前ら何の話してんの?」
「え~?
最近ゴキブリが出て
困ってるって話かな?」
「は?ゴキブリ?」
ふーん。
男の前ではあくまでも
いい子ちゃん
気取るわけね。
どうやら女子には
完全に敵対視
されてるみたい。
にしてもあたしは
ゴキブリ扱いかよ。