お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
「来栖は頑張ってるから大丈夫だよ。じゃあ、今日は遅いし俺は帰るな。」
恭ちゃんはあたしの頭をぽんと撫でると席を立ち上がる。
「いつもごめんねっ…、また明日。」
慌てて、背中に声をかけると恭ちゃんは片腕を上げて帰っていった。
窓の外を眺めるとあたりは真っ暗でこんな時間に帰っていく恭ちゃんの姿が小さく見えた。
桐生と恭ちゃんがこんなに頑張ってくれてるのにどうしてあたしは自分のことさえできないんだろう。
恭ちゃんと勉強会なんて浮かれていた自分が情けない。
本当はあたしは一ノ宮家のメイドで雇われている身。
もっともっと頑張らなきゃいけないのに…
あと2日、全力で覚えなきゃ…。