お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

焦りで頭の中がいっぱいになっていく。


これ以上迷惑かけないようにしなきゃ。


「おい、萌。」


「……あっ、何?」


「今日はもう寝るぞ?」


片付けを終えた桐生の声にはっとなる。


「うん…。」


「どうしたんだよ?」


「なんでもない。」


覚えれなくて焦ってるなんてとても言えないよ。


「じゃあ、何でそんなしけたツラしてんだよ。」


桐生がイラっとしたように肩を掴む。


「ほんとになんでもないから…。」


そう答える自分の声は予想以上に弱弱しくなってしまった。

< 130 / 424 >

この作品をシェア

pagetop