お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
「えーっと…これは?」
全く状況が読めないまま握られた左手と桐生の顔を交互に見る。
そんなあたしを見て桐生はフッと笑うとあたしの体を自分の胸に引き寄せた。
「きききき桐生!?」
…ここ玄関ですけど!?
誰か来ちゃうよ!?
桐生の鼓動が聞こえるくらい強く抱きしめられて体中から火が出そうなくらい熱くなっていく。
「ちょっと…、聞いてる!?」
このままじゃドキドキしすぎて体が持たないと感じて、桐生の体を押し返そうとするけど当然力では敵うはずがない。
あたしをがっちりと腕に閉じ込めたままで当の桐生は心ここにあらずと言った感じで遠くを見つめていた。
「ねえ、桐生ってば!!」