お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

音声の指示に従ってポーズをとって映していく。


桐生は「できるかよ!!」とか文句を言いつつも映りはモデル並。


男前ってほんと特だよな…

なんて思いながら桐生を眺めていると


「ほら、萌ももっと笑えよ。」

「え…って…きゃっ!!!」


突然桐生が後ろから抱きつくようにしてそのまま前に出た。


いきなりの出来事に体が硬直して画面に映る自分の顔は真っ赤になっていた。


「もうサボっちまったもんは仕方ねえだろ?今は楽しむことだけ考えてろよ。」


桐生があたしの体を抱きしめながら画面越しに笑顔を見せる。


ほんと…めちゃくちゃなんだから。


でも、確かにもうサボっちゃったことには変わりない。

今更後悔したって状況は変わるわけないし…


「…そうだね。」


正面に回された桐生の腕をギュッと掴んであたしもカメラに向かって笑った。

< 232 / 424 >

この作品をシェア

pagetop