お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

「俺が遠くに留学したいと言ったらお前はどうする?」


振り返った桐生は柔らかく微笑んだ。


「留学?」


「うん。親父の知り合いからニューヨークにこないかって誘われてるんだ。」


ニューヨーク…!?


想像以上の距離に絶句したあたしを見て桐生は「まだ正式に決まったわけじゃないから。」と付け足した。


「ただ、萌の意見も聞いてみようかと思っただけ。」


「…意見って。」


ニューヨークがどれだけ遠いかなんてバカなあたしでもわかる。


行ったらもう長い間会えなくなってしまうって嫌でも考えてしまう。


「俺も高3だし、そろそろ財閥を継ぐためにもっと大きな場所で勉強しなくちゃならないって考えてるんだよ。」


そう言う桐生の顔は以前より一回りも二回りも大きく見えた。

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