お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
桐生の将来を応援してあげられていない自分が何よりも情けなかった。
誰よりも大好きなのに…
「行っておいで」の一言がどうしてもどうしても出てこない。
「そっか…」
恭ちゃんは笑みを崩さずに「来栖も色々大変だっただろ」と言ってくれた。
でも大変なのはあたしじゃない…
頷くこともできずに俯いていると恭ちゃんがあたしの顎をクイッと持ち上げた。
「知りたい…桐生のこと?」
「え?」
恭ちゃんの真剣な瞳が真っ直ぐにあたしを捕える。
「知りたいんなら桐生が何を考えてるか…教えてあげようか?」
いつの間にか消えた笑顔。
向かいの席から恭ちゃんが手を伸ばしてくる。