お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
そうやってあたしを悲しませないために沢山の犠牲を払って隣にいてくれてるのにあたしは…。
一度でも心から喜んだことがあっただろうか…
幸せだって感じたことがあっただろうか…
きっと今のこの状況が何より桐生のこと、裏切ってるんだ。
バッと顔を上げると恭ちゃんはあたしの手を取って、ネックレスのリングの上に置いてくれた。
「もっと…笑いなよ。お前が笑うことが桐生にとって一番幸せなことなんだよ」
「うん…」
リングを包み込むように両手でギュッと握る。
あたしが今どうしなきゃいけないか…
桐生と恭ちゃんの優しさに触れて、やっとわかったよ。
「恭ちゃん、ありがとう」
そう言ったら恭ちゃんは優しく微笑んだ。