お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

「思い出の場所…か」


そう言いながら桐生が肩に手を回してくる。


そのまま抱き寄せられた体を桐生に預けるように寄りかかった。


その温もりが愛しい。


優しく名前を呼んで微笑んでくれる貴方が愛しい。


「今まで色んな事があったな」


桐生の声に耳を傾ける。


「付き合う前も…付き合ってからも。俺の隣にはずっと前からお前がいたんだよな」


「それは、お互い様だよ」


「喧嘩ばっかしてたのに、いつからこんなに好きになっちまったんだろうか」


そう言いながらあたしの肩に桐生が顔を埋めてくる。


心臓がドキドキと音を立てた。

< 274 / 424 >

この作品をシェア

pagetop