お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
桐生と一緒にいた時間をあたしはずっとずっと忘れないよ。
だけど…
前に進むから。
「萌」
顔を上げるとそこには愛しい人。
あたし達はどちらともなくキスを交わした。
「最後のキスだ」
目に溢れんばかりの笑顔。
あたし達は微笑んでもう一度口づけた。
短いようで長い一瞬。
頭の中を駆け巡る桐生と過ごした長い月日。
頂上へと登った観覧車の下には
冬の街のネオンが広がる。
この観覧車の向かう先にあるあたし達の未来は
「別れよう…」
深い深い闇だった。