お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
「萌、それ取って」
通りすがりに桐生に声をかけられる。
「あ、うんっ」
近くの紙袋を取って桐生に差し出した。
手渡す時に互いの指が一瞬触れ合う。
どきん…
「さんきゅ」
桐生はあたしの頭をポンと撫でるとまたバタバタと準備に戻っていく。
久しぶりに触れた手。
それだけでもこんなに胸が苦しくなるくらいにドキドキしている。
桐生に触れた指先をもう片方の手で包む。
なんでこんなに…好きになっちゃったのかな。
桐生の未来を応援するって決めたのに。