お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

でも、どんなに願ったって


別れの時は刻一刻と迫ってくるんだ…


――――・・・


「じゃあ、桐生の旅立ちを祝って…」


「「乾杯ー!!!」」


カチンとグラスが合わさる音と歓声が響く。


今日は一ノ宮家総出で桐生の激励パーティーをしている。


今日はあたし達使用人もパーティーに参加することを許可されている。


お洒落してパーティーに参加していると


まるで皆の目の前で告白されたあの日に戻ったような気分になる。


全ては


あの日から始まったんだよね。


でも多数の関係者たちに囲まれている桐生を見ていると


近付けなくて


やっぱり遠い人になってしまったんだなって思う。

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