お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
「…萌が後悔してないなら」
「後悔なんて…して」
"ない"はずがない。
けれど
「いいんだ。あたしは桐生の夢を応援したい」
「…夢?それって財閥を継ぐこと?」
「うん」
頷くあたしを見てミサトは大きくため息をついた。
「萌って馬鹿なの?」
「へっ…?」
ミサトはあたしの両肩を掴んで目線を合わした。
「財閥のことがあるのに、婚約パーティーをぶち壊してまで萌を選んだあの男が、財閥を継ぐことが夢?」
「え…う、うん」
昔から決まってたことだし、好きだからという理由だけでどうこうなんてできない。
「桐生の萌への気持ちってその程度なのかな」
ミサトが怒り隠せないような表情でそう言った。
「そんなの、わからないよ」