お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
余計に…
わからないや。
二人の出て行った扉の方をぼーっと眺める。
パーティーのにぎやかな声が遠くに聞こえる。
あたし…
間違ってないよね?
なんとなく心は晴れないけど、もう決めたこと。
今更迷ったりはしないから…。
「萌」
突然、後ろから声をかけられた。
スローモーションで流れるこの瞬間。
久しぶりに合わせた視線。
名前を呼ぶ声が何度も頭の中で繰り返されていた。
「桐生…」
――――・・・
「ちょっと恭史郎、なんなのよ!!」
悲鳴にも近い声を上げ続けるミサトを階段下に誘導する。
多分ここなら誰もこない。
俺は足を止める。
その反動でミサトが俺の背中にぶつかった。