お仕置きしてやろうか?～ご主人様は俺様王子～

どうしてあたしは桐生の肩で泣いているんだろう…


桐生はあたしの頭を自分の肩口に引き寄せて頭を撫でてくれた。


「もう俺はお前にこういう風にしてやることできないんだからな」


「…ごめん…」


「…いいよ」


柔らかく笑うその笑顔はあたしの心に深く焼き付いたんだ。


――――･･･


わかってる、


わかってるよ。


ほんと、弱いくせに強がりなところは変わらない。


そしてこの泣き顔にさえ心を揺さぶられてる俺も俺だ。


こんな風に抱きしめたりしたら、


萌に俺の気持ちバレるじゃん。


ずっと好きだった


いや、今でも大好きな奴を忘れられるわけがないだろう。


「でも…」


俺は萌の頬を伝う涙を指でぬぐった。