お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

光を失った萌のうつろな瞳から、透明な滴が流れる。


「俺はもうとっくにふっ切れてる。だからそういう風に泣かれるのは迷惑なんだよ」


「…っ」


「嫌われる以前に…俺はお前のことはもう嫌いだから」


萌はへなへなと地面に座り込んだ。


「だから…本気でさよならだ」


背を向けた俺を萌はどんな目で見ているのだろうか。


別れのこの瞬間まで萌のことを考えてるって萌は気づいていないだろう。


過ごした時間が長すぎて互いに依存しすぎたのかもしれない。


俺のいない世界であいつは笑って生きていけるんだろうか。


あいつのいない世界で俺は…


――――…


「今日から桐生様のメイドとして働くことになったくるすもえです」

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