お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

ニコッと笑って手を差し出された。


「誰こいつ、そんなのいらねえし」


「ふ…ふぇ…」


「ちょ、ぼっちゃま。そんなこと言わないでください。萌が泣いてますよ」


初対面の時の記憶…


メイド長の来栖さんに紹介された俺専属のメイドになるらしい女の子。


それが萌だった。


「嫌だ。泣き虫だし女なんか興味ない」


「…ひくっ…ぐすっ」


いきなりきついことを言っちゃったせいか萌は泣きだしてしまった。


…マジで使えない。


心の底からそう思った。


「あぁ、もううるさい。どっか行けよ」


強引に手を払いのけて俺は部屋に戻ろうと背を向けた。


人と関わるのは正直めんどくさい。


財閥の跡継ぎとして育てられてきた俺は人の愛情なんて知らなかった。

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