お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
親父もお袋も海外で働いていて会うのは年に数回程度。
世話をしてくれる使用人達は俺のことを腫れもの扱いするように気を使ってきて心は開けなかった。
英才教育の毎日で遊ぶ暇もない。
恭史郎にも出会う前だから俺には友達さえいなくて。
そのせいか専属で俺の傍に人がいるなんて考えられなかったし必要ないとすら思っていた。
いじめようとかじゃなくて素でそういう反応しかできなかったんだ。
だから…
「いやだっ!!」
「…は、てめえ何言って…?」
「あたしは桐生様のお世話をするために来たんですっ!!だからここにいますっ!!」
「…っ」
いきなりそんなことを言ってくる萌に心を揺さぶられてしまったのかもしれない。