お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
「ありがとうございますっ!!」
根負けした俺に見せた萌の笑顔に心臓がドキンと高鳴る。
わからない…
でも…
それから流れていく時間は穏やかで
「桐生様ーっ」
「うるせえ、なんだよ」
耳を塞ぐ仕草をしながらあからさまに嫌そうに萌を見つめる。
「はいっ、これ」
そんな俺にお構いなしと言った感じで萌が何か差し出してきた。
「なんだよこれ」
「ケーキ、作ってみたんですっ!!」
そこにはお世辞にもうまいとはいえないようなスポンジケーキのようなものがあった。
「…これ、食えんの?」
「み、見た目は悪いけど、ちゃんと食べれますから!!だから…」
そう言ってフォークで俺の口にケーキを運ぶ。
「ちょ…お前っ」
有無を言わさずに口の中に広がる甘ったるい味。