お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
その中のひとつのリングに目が止まる。
そう言えば俺があいつにあげたプレゼントってサイズ違いの安い指輪だったんだよな。
なんて考えると苦笑いしてしまう。
そのままなんとなく店に足を踏み入れると中にも同じものがあった。
本当はこういうちゃんとした奴…プレゼントしたかったんだけどな。
なんて考えながらリングを眺める。
「何かお探しですか?」
顔を上げると店員がニコリと笑った。
「こちらクリスマスプレゼントに大人気の新作なんですよ」
――――・・・
「ありがとうございました」
小さなブランドの袋を片手に店を出る。
俺は何をやっているんだろうか…。
肌寒い通りは萌を傷つけたという現実を俺に思い出させるというのに。
「桐生っ!!」
突然肩を叩かれて振り返る。
「ミサト…」
「追いかけてきちゃった」
ドレスだけで真冬のこの寒い中俺を探してたのかよ。