お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
「でも、だからと言ってあたしのために作ったとは限らないよ」
違う、違うと何度も心の中でかき消す。
「こんなにぴったりなのに?」
「…」
泣きそうになる。
もしそうだったら…
という想いが心の中を埋め尽くそうとするから。
でも、さっきの桐生の言葉を思い出したら苦しくなる。
どうにもできない
そんなあたしを見て恭ちゃんはニコリと微笑んだ。
「萌は童話のシンデレラは知ってる?」
「シン…デレラ?」
予想外の話にきょとんと顔を上げる。
「そう、シンデレラ」
そう言って恭ちゃんは指輪ごとあたしの手を握った。