お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~

「知ってるけど」


不思議そうに答えるあたしを見て恭ちゃんはクスクスと笑っている。


恭ちゃん?


「この指輪、シンデレラのワンシーンと似てない?」


12時が近づく。


魔法が解ける前にと帰りを急ぐシンデレラはガラスの靴を落としてしまった。


それでもシンデレラは振り返らない。


王子様の手に残された片方だけのたったひとつのガラスの靴。


これを手がかりに運命は大きく動きだす。


「ガラスの靴を頼りに王子様は必死でシンデレラを探した、それはどうしてだと思う?」


「シンデレラが好きだったから?」


「俺もそう思うよ」と恭ちゃんは微笑んだ。

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