お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
「…行かなくていいの?」
「え?」
友ちゃんがあたしをまじまじと見ながら聞いてきた。
「さっきから時計…一ノ宮君のこと気にしてるんでしょ」
「えっ、そうかな、はは」
無意識に気になっていたのかもしれない。
桐生は後1時間ちょっとで日本からいなくなる。
もう、会えなくなってしまうんだ。
「見送り…今なら間に合うんじゃないの?」
今から空港まで歩けば10分くらいでつくから間に合うとは思う。
でも
「ううん、いいよっ!!今日は友ちゃんと遊べて楽しいし」
空港へは行けない。
いや、行かないって決めたの。