お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
手を開くとそこには指輪があった。
「萌からだ。お前、それ昨日部屋に落としていっただろ」
「…あぁ」
ミサトにあげたことになっていた指輪。
本当は…あいつのために買った指輪。
返されて当然か。
自嘲しながら指輪に視線を落とした。
自分で突き放しといて今更だもんな…
これも無駄に…
そう思った瞬間、リングの裏面に何かが見えた。
傷かと思ってこすってみたけど消えない。
俺が買った時にはなかったもの。
何か文字が彫られていた。
―only precious master―
たった一人の大切なご主人様