大人の世界
前夜
高校3年生の時
友達の家に泊に行った 一番仲良かった子で みんなより少し、大人びた子だった
あたしは10時くらいになればもう眠くて、 いつの間にか寝ちゃってた
それまでとなりで、当時その子がハマって た「テレクラ」に、
ずっと電話してた
あたしは、全然疎くて 「喋りなよ!」と、受話器を渡されても、た じたじになりすぐ代わる
「ねえねぇ!ゆか!」
その声にハッとして起き、 「今から金沢行くよ!」
時計は12時をまわっていた
その子の名は「ゆきみ」
ゆきみが台所のシンクでわたしの髪を洗っ た
そして、ドライヤーで乾かしながら
「アツシが迎えにくれんて。」
「アツシ」とは、以前ゆきみがテレクラで 捕まえた『アシ』
そのうち、静かな住宅街に一台のスポーツ カーが来た
中から降りてきたのは、 背が低くく、年の割りにはかなり若作りし た、中年オヤジ
口元に生やしたヒゲが妙にいやらしかった
真夜中に私は、起きて・・・ 誰だかよく知りもしないヤツの車に乗ってる ・・・
まるで、暗闇の中を、 どこか違う世界にでも行くような気分にな った・・・
初めて見た夜の世界
街はキラキラとネオンが明るく スクランブルを行き交う人達は 時間を忘れさせてし
まうほど騒いでる!
真夜中に、 こんな時間が、場所があるなんて・・・
何故か、 そのネオンは美しく、心の中で、
今までにない、 「欲望」のようなものが湧いてきたのを覚 えてる
気持ちが踊るような・・・ゾクゾクするような・・・
「アツシ」は、慣れた感じでサッサと前を 歩き、 私は、二人に追いてかれないよ
う、早足で 歩いた
たどり着いた、一軒のボーイズバー
『KABUKI』
階段を上がると、薄暗い店内には、黒服を 着た、どれもカッコいい男ばかり 並んで
いた
「いらっしゃいませ」 「あ~、アツシさん」
顔馴染みの客なのだろう みんな、「アツシ」に敬語を使っていた
「ゆきみちゃ~ん」
ゆきみも何回か来たことあるらしい
そこには、 髪の長い、化粧がとても上手な、綺麗な女 の客がいた
慣れた調子で話し、爪には綺麗なマニュキ アが塗ってあり、
その手を口元にやって笑うのが、 妙に色っぽかった
すごく、大人の女に見えた
私は自分が、なんだか子供で、 場違いがところにいるみたいで、 恥ずかしくなった
「アツシ」とゆきみと、3人で、 通されたボックス席に座り、
初めてカクテルを頼んだ
しばらくすると・・・
「いらっしゃいませ」
目の前に、黒髪の、優しい目をした 一人のボーイが名刺を差し出してきた
目が合うと、
そいつはニコッと微笑んだ・・・
友達の家に泊に行った 一番仲良かった子で みんなより少し、大人びた子だった
あたしは10時くらいになればもう眠くて、 いつの間にか寝ちゃってた
それまでとなりで、当時その子がハマって た「テレクラ」に、
ずっと電話してた
あたしは、全然疎くて 「喋りなよ!」と、受話器を渡されても、た じたじになりすぐ代わる
「ねえねぇ!ゆか!」
その声にハッとして起き、 「今から金沢行くよ!」
時計は12時をまわっていた
その子の名は「ゆきみ」
ゆきみが台所のシンクでわたしの髪を洗っ た
そして、ドライヤーで乾かしながら
「アツシが迎えにくれんて。」
「アツシ」とは、以前ゆきみがテレクラで 捕まえた『アシ』
そのうち、静かな住宅街に一台のスポーツ カーが来た
中から降りてきたのは、 背が低くく、年の割りにはかなり若作りし た、中年オヤジ
口元に生やしたヒゲが妙にいやらしかった
真夜中に私は、起きて・・・ 誰だかよく知りもしないヤツの車に乗ってる ・・・
まるで、暗闇の中を、 どこか違う世界にでも行くような気分にな った・・・
初めて見た夜の世界
街はキラキラとネオンが明るく スクランブルを行き交う人達は 時間を忘れさせてし
まうほど騒いでる!
真夜中に、 こんな時間が、場所があるなんて・・・
何故か、 そのネオンは美しく、心の中で、
今までにない、 「欲望」のようなものが湧いてきたのを覚 えてる
気持ちが踊るような・・・ゾクゾクするような・・・
「アツシ」は、慣れた感じでサッサと前を 歩き、 私は、二人に追いてかれないよ
う、早足で 歩いた
たどり着いた、一軒のボーイズバー
『KABUKI』
階段を上がると、薄暗い店内には、黒服を 着た、どれもカッコいい男ばかり 並んで
いた
「いらっしゃいませ」 「あ~、アツシさん」
顔馴染みの客なのだろう みんな、「アツシ」に敬語を使っていた
「ゆきみちゃ~ん」
ゆきみも何回か来たことあるらしい
そこには、 髪の長い、化粧がとても上手な、綺麗な女 の客がいた
慣れた調子で話し、爪には綺麗なマニュキ アが塗ってあり、
その手を口元にやって笑うのが、 妙に色っぽかった
すごく、大人の女に見えた
私は自分が、なんだか子供で、 場違いがところにいるみたいで、 恥ずかしくなった
「アツシ」とゆきみと、3人で、 通されたボックス席に座り、
初めてカクテルを頼んだ
しばらくすると・・・
「いらっしゃいませ」
目の前に、黒髪の、優しい目をした 一人のボーイが名刺を差し出してきた
目が合うと、
そいつはニコッと微笑んだ・・・