大人の世界
刹那



「・・・んン・・」

ガサ・・・。



――――「キュウキ・・・?」

それとも、ゆきみ?・・・・・




意識が、もう眠りから覚めようとしてた

なんとなく、 もう、正午を過ぎたのが、感覚で分かった

誰からともなく、 3人は、目を覚ました




「・・・あぁ・・・。」

「もう、こんな時間・・・、腹減った・・・」

「キュウキ」が眠そうに言った



ふぁ~・・・ぁ。

ゆきみがアクビした



ゆっくりと、みんな起き上がる

「・・・だりぃ」




カチッ。

「キュウキ」がタバコに火を付けた


「フゥー・・・」





「ゆきみちゃん、寝れた?」

「・・・・・ウン」


寝起きが悪いのか、小さい声で答えた





「ゆかちゃん、寝れた?」

「・・・うん。」


「ふぅ~ん」

笑った



(なによ?!)

「キュウキ」の含み笑いに、そう思った




「ねぇ、なんか買ってきてよ」

「い~よぉ」 「ゆか、行こ」

ゆきみがそうゆうと、私たちはゆっくりと 起き上がり、

玄関を出た



「キュウキ」に教えられた通り、 道を歩く

アパートを出て、 道の向かいに、小さな会社か何かの駐車場 があった

右に曲がると、 しばらく歩き、角に古い公園がある十字路 で、左に曲がる

そこには、小さな路面電車の線路があり、 それを越えると、

まっすぐ行く・・・



私とゆきみは、 おにぎりだとか、パンだとか、 手っ取り早い物を買った

来た道を、

私は、何故か、焼きつけた――――










< 10 / 44 >

この作品をシェア

pagetop