大人の世界
2
「ピー、ピー、ピー」
「キュウキ」のポケベルが、鳴った
「アツシ」からだった
「アツシさん、仕事で迎えに来れんのやって 。・・・電車で帰れって。」
「アツシ」の電話を切って、そう言った
「オレ、駅まで送るよ。お金ある?アツシさ んが、出しといてやれって」
「あるよ、大丈夫」
「じゃあ、そろそろ行こう」 ゆきみが言った
「うん・・・」
私とゆきみは、「キュウキ」の車に乗った
「野々市駅」まで、送ってもらった 「キュウキ」の車はタバコくさく、
運転する、「キュウキ」の背中をずっと見つ めてた・・・
野々市駅に着くと、ゆきみは、さっさと降 りて、 「ありがと!楽しかったわ!また『KABUKI 』 行くね!」 あっけらかんと言った
「おー、また来てや、バイバイゆきみちゃ ん」
「バイバ~イ!」
「バイバイ、ゆかちゃん」
「あ、・・・バイバイ・・・」
「またね」
「キュウキ」が言った
そうゆうと、
あっけなく・・・
「キュウキ」の車は、去って行った
ブーン・・・・・
エンジンの音が、響いた――――