大人の世界
本能

綺麗な月明かりが、二人を照らした・・・


蒼いその光で、 微かに見えるシルエット・・・

たくましい「キュウキ」の、その体の後ろか ら、月明かりが漏れてた・・・


ベッドには・・・ 私と、「キュウキ」さんと・・・

二人だけ―――



こうなることは、分かっていたと・・・

心の中で呟いても、


やっぱり・・・

ドキドキは止められない――





「キュウキ」が、私を抱きしめる・・・

その体の重みで、すぐ側にいることを実感 する・・・

心の中まで、近づけた気にさえなる・・・



仰向けになった私を、 「キュウキ」はしばらく見つめて・・・

ゆっくりとキスをした



ゆっくりするから・・・

余計に、感じる・・・



じっくりと、

舐めるように・・・、

その唇で・・・



私の唇から・・・

だんだん・・・、舌へと・・・


上手に、私の舌と、

絡ませてくる・・・

ゆっくりと・・・

決して、焦らず・・・


こんなに上手な、キスは初めて・・・



せがむように・・・

「キュウキ」の唇を、求めてしまう・・・

そんな自分を、思うと・・・

「イケナイ」って、

思っちゃう・・・

それが余計に、感じさせる・・・



その上手なキスで・・・

私は、体が溶けそうな感覚になった・・・

キスだけで・・・、 声が出そう・・・


「キュウキ」がわざと、



「感じるの?・・・」

「キスだけで・・・?」



って、言うから・・・

我慢出来ずに・・・、

声が、出ちゃった・・・


「あぁ・・・!」

「・・・もっと出していいよ・・・」




「・・・感じるの?・・・」


そうゆうと、激しさを増した・・・



溢れ出た、感情の叫びは・・・

1度出ると、止まらない

狂ったように、体が動く・・・

悶えながら、喘いでしまう・・・


感じたままの、私の首筋に・・・、

唇を、這わせた・・・

舌先で、何度もなぞる・・・


狂いそうに、

気が遠くなるのは・・・、

アルコールが・・・

体中の血を熱くさせ・・・、

「理性」を麻痺させるから?・・・



「・・・・・こんなの、・・・初めて・・・」

無意識に、口にした・・・

私の両手を、「キュウキ」が掴んだ・・・

やがて、手を握り合った・・・

「あの時」の爪ではない、

私の、長い爪を・・・、

「キュウキ」が、指でなぞり・・・

目配せをした・・・



(大人に、なったなったな)

って・・・、言ってるみたいに・・・


「キュウキ」の声が、

耳元で、囁く・・・

吐息が熱く・・・

息が、荒い・・・




男の「本能」が、

だんだん、むき出しになるのが、わかる・・ ・


囁いてた、唇が・・・

だんだん、体の下へ・・・、

降りていく・・・

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