大人の世界
迷宮
―――ジリリリリリリリ!
目覚まし時計の音が、激しくなった
すっかり、朝になっていた
「やべ!ガッコウ!」
「キュウキ」が慌てて起きた
「ゆかちゃん!駅まで送ってくし電車で帰っ て!」
「・・・え?」
寝ぼけ眼の私を、「キュウキ」が慌てて起こ す
「・・・うん、わかったよ・・・」
半分寝ながら言った
そのままバタバタと、「キュウキ」の車に乗 り、 野々市駅まで、送ってもらった
「また、ベル鳴らすわ!またね!気いつけて ね!」
そうゆうと、急いで「キュウキ」は、去って 行った
「わかった!」
私が、言うと、
ウインドウから、手を出し合図した
朝の電車に乗り・・・
「あの時」みたいに、帰った・・・
時間帯が違う、
夕日じゃない・・・
二人じゃない、
ゆきみがいない・・・
あとは・・・・、
体が、違う・・・
心も、違う・・・・・・・・な。
そんなことを、思いながら、
窓の外を眺めてた・・・
だけど、
夢のような一夜から、
一瞬にして、現実に戻る、この感覚は、
あの日と、同じ・・・
心が、陶酔するような、
そんな出来事のあとは・・・
みんなそうなのかもしれない・・・
だからこそ、その貴重な一時は・・・、
はかないのかもしれない・・・
そしてこの、
胸の中の、一抹の寂しさは、
「祭りの後の静けさ」、なんだろう・・・
眠い目を擦りながら・・・
「・・・ダルい」
家に帰った・・・
私は、
私達は・・・、
どんな関係なの?・・・・
そんなことは何も、口にしないまま
バイバイ、したね――――
いつもと変わらない日常・・・
ヤル気なんて全然ない
繰り返す毎日をただ、送りながら、そんな ことを考えて、仕事してた・・・
あれから、2週間くらいたって、
「076ー243ー××××」
「キュウキ」から、ベルが入った