大人の世界
1
私は、その日も、
ゆきみといた
最近、毎日のように、ゆきみに付き合って もらってる・・・
「ゆか!その辺でやめとけや!」
「だあいじょうぶ~!」
「大丈夫じゃないやん!・・・どしたん、最近 」
「なんでこんなに荒れとれん?!・・・なんか 、あったん?・・・おかしいよ!」
お酒を、飲んでいた・・・
あの日、飲んだ、「バーボン」・・・
それを見て・・・、
「・・・キュウキさん・・・」
思わず、呟いた
「キュウキさん?」
酔いが、その名前を口にさせた・・・
「キュウキさん、て、・・・うまくいっとった んじゃないが?」
「・・・別に・・・、うまくって、・・・付き合って もないし」
「・・・・・・・・」
その言葉だけで、
人より少し「ませた」、ゆきみは、
ピンと来たのかな・・・
「・・・何の連絡も、なくなったん?」
「・・・あったよ、・・・けど、断った」
「・・・なんで断るん?」
「だから辛いんじゃない?」
「え?・・・」
「それ、ただの強がりやん。」
「結果を恐れずに、素直になったほうが、楽 なんじゃない?」
「今のままやったら、ずっと辛いだけやよ・・ ・」
ぐでんぐでんの酔いが・・・
「分かったこと言わんといて!」
「・・・もぉ・・・・、辛いもん・・・」
「ゆか・・・」
「分からんもん・・・・・・・」
私を、
ぐちゃぐちゃにしてた・・・
店のカウンターで、酔いつぶれた私を、 ゆきみが、送ってくれた・・・
「ゆか、・・・しっかりせんなんよ」
「じゃ、帰るね」
「自分の気持ちに、素直に、ね。」
「じゃあ」
「・・・うん、じゃあ・・・」
酔ってる私にも、
その言葉は、記憶に残った・・・
その日の言葉が・・・
あの、ゆきみの言葉が・・・、
妙に、頭の中をグルグル回ってた・・・
――12月24日――
イヴの日・・・
ついに、この日がやってきた・・・
朝から忙しく仕事をし、
家に帰った・・・
なるべく、今日のことを考えないようにし て、
わざと、時間を作らないようにしてた
だけど、
時計ばかり気になり、ソワソワと落ち着か ない・・・
また、お酒で紛らわそうかな・・・
バーボンをとった・・・・